Translate

2013年2月13日水曜日

『医食同源』アーユルヴェーダ的 御話 3




皆さん「医食同源」という言葉はご存知でしょうか?
広辞苑によると
「病気を治すのも、食事をするのも、生命を養い健康を
保つためで、その本質は同じだと言う事」
 と書かれています

もともとは、中国の古い言葉「薬食同源」からヒントを得た

日本人のお医者様(新居裕久氏)が、私たちにもなじみやすいように、

「薬食」を「医食」に変え、美味しく食べて健康になろう!
と提案した言葉です。

このお医者様いわく、
「医食同源」の定義
「薬も食も同じ源、日常の食事で病気を予防し治療しよう。
その食事は、バランスのとれた美味な食事」
とのこと。

やはりバランスを大切にしていますね

アーユルヴェーダでは、日頃から何気なく食べているもの、
それが体調を改善させることも、また逆に悪化させることもある、
と教えています。
つまり「食べ物とは毒にも薬にもなる」。

これがアーユルヴェーダの医食同源なのです。


アーユルヴェーダには、こんな言葉があります。

  「薬にならない植物はない。
       マントラにならない言葉はない。
             役に立たない人間はいない。」

なかなかおもしろい言葉ですね。

食べ物が心に与える影響
アーユルヴェーダには、心の性質を表すグナというものがあります。
これは純粋性といわれるサットヴァ
活動や動性といわれるラジャスそして惰性といわれるタマスの3つです。


この3つの性質は、トリ
グナと呼ばれています。


サットヴァ -純粋性-  心が純粋な状態 

ラジャス- 動 性-  心が活動的で、願望や欲望が起こる状態 


タマス -惰性 - 心が動かなくなり,気力や意欲がなくなる状態 


現代の子供たちが、キレやすく
集中力や意欲が低下
ていると言われるのは、
このラジャスやタマスといった性質を多く持つからだといわれています。


最近では、このような心の性質の傾向には、
食べ物の影響が強いのでは、と考える専門家も増えていますが、

アーユルヴェーダでは古くから、その関係に着目しています


そこで、アーユルヴェーダで勧めているのは、
サットヴァな性質を増やすよう食事を摂ることです。

それには
ラジャスな性質を増やす
と言われる、
苦すぎ、酸っぱすぎ、辛すぎといった刺激の強い味のものや、

タマスな性質を増やすと言われる、

加工品やレトルト食品、また油分の多いものなどを
避けるべきだと教えています。


そして、サットヴァな性質を増やすような食事とは、
生命力に溢れた新鮮な食材、消化のいいもの、

そして食べていて心地のいいもの
と言われています。
こういった食品を摂ることは、イコール、ドーシャのバランスを調えることなのです。

つまり、身体が健康な状態になり、それが心の健康につながり、
穏やかで幸福や喜びを感じることのできるサットヴァな心


を作り出してくれるのです。


インドの古い哲学書には

「心が持つ性質と同じものが食べたくなる」
と書かれています。

つまり、心にラジャスが増えると、ますますラジャスを増やすような
刺激物を好み、タマスが増えれば増えるほど、
脂っぽいお菓子やレトルト食品

などを好むようになるということです。


食べ物が心の性質に影響を与え、
           心が食べ物を選んでしまう
この関係にちょっと目を向けて食事を見直してみることは、
現代の私たちにとってとても大切なことではないでしょうか?

私たち人間は、食べることで生きています。

しかし、あまりにも当たり前のことすぎて、

つい忘れてしまうものです。
まるで、酸素を吸って生きていることを忘れているかのように・・・
毎日毎日、口から摂りいれているものが、私たちの心や身体にどのように
影響を与えているのか、そして、日々の食事で病気を予防、
そして治療していく、という医食同源の考え方を改めて意識して生活してみましょう。
それはきっとバランスのとれた、美味しい食事になるはずですよ